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コーヒーの基礎知識

コーヒーの美味しさはこれで決められる

産地認証

産地認証

生産者名や産地が明確なコーヒーは味に個性が出る
これまで産地が混ざっていたコーヒーを飲んでいたためどこ産のコーヒーなのか特定できませんでした。ところが、産地が明確なスペシャルティ珈琲は産地の個性がはっきりとカップに表われる可能性が極めて高いのが特徴です。
ソムリエが1杯のワインからワイナリーの名前がわかるようにコーヒーの
香味にも産地ごとに特徴がある。生産者の名前や豆の種類、精製状況などが明確なのがスペシャルティコーヒーです。

世界のコーヒー産地を知る(主な産地を抜粋)ー香味ー

◎ブラジル:多様な品種が合わさった複雑な香味
中米産に比べると産地の標高が低いことから全体的に酸が少なくなっているのが特徴です。品種によって香味は多様で地域や品種の特徴が重なって複雑な香味を生み出している。ナチュラルで精製された場合、独特の渋みがある未熟豆が含まれることがあるが味覚の面では混入されないことが好ましい。

◎コロンビア:生産地域、品種による香味の多様性
コロンビアのコーヒーは生産地位や品種により香味の多様性が豊富ではあるものの広域の豆が混ぜられるため香味のプロフィールがはっきりしないものが多い。一般的には甘味としっかりしたボディを持ち豊かなフルーティーさを味わえると言われている。

◎グァテマラ:産地によって異なるバランスのとれた香味
グァテマラは地理的に非常に多様性のある土地で、コーヒーの生産地域によって微妙に香味が異なってくる。アンティグア地方は標高が高く明るい酸としっかりしたコクのあるバランスの良いコーヒーがとれる。

◎エチオピア:世界的な人気を誇る個性的な香味
世界中のコーヒーでもエチオピアコーヒーの香味の個性は際立っている。特にイルガチェフェ村はクリーンでピーチやアプリコットを思わせる香味を持っており世界的な人気がある。

◎東ティモール:明るい酸と柔らかな香味
ティピカ系の綺麗なカップが特徴的である。明るい酸に加え柔らかな香味を持っている。最近では有機肥料も使用始めているものの基本的には農薬と肥料を使わない自然栽培を行っている。

◎インドネシア:華やかなマンデリンとマイルドなトラジャ
スマトラ島のマンデリンはカチモール種の場合は重さがあり濁り感が出るが在来種の品種だとコクがありハーブやスパイスまたは果実を思わせる香味を持っている。スラウエシ島のトラジャはマンデリン程の個性は無いものの滑らか且つマイルドな香味が特徴である。

精製方法

コーヒー豆の質を決定する最も重要な工程
コーヒーの実は、外側から外皮、果肉、内果皮、銀皮、種子からなる。
外皮や果肉などを除去し種子つまり生豆の状態に加工する工程を「精製」と呼ぶ。精製方法には、大きく分けてナチュラル、パルプドナチュラル、セミウォッシュト、ウォッシュトの4つがある。

ナチュラルは、実をそのまま天日乾燥させ脱穀する方法。しかし未熟豆の混入が多く、乾燥に時間がかかるが複雑で独特な風味がある。
パルプドナチュラルは、果肉除去機で脱穀後乾かす方法。未熟豆を選別できるのでナチュラルよりは品質が良い。実を水に浸けゴミなどを除き果肉除去機で脱穀し乾燥したのがセミウォッシュトである。
ウォッシュトは、脱穀までの工程はセミウォッシュトと同じだが脱穀後発酵槽で内果皮に付いているぬめりを発酵させた後洗浄乾燥させる。綺麗で澄んだ
香味になるが工程が多い分手を抜くと質が下がる恐れもある。

精製の悪い豆を修正することは不可能です。精製は、コーヒーの本質の
香味を決定づける重要な工程だと言えます。

カッピング

ティスティングにより個々の豆の個性を見極める

昔から各生産国で格付けが行われてきたが近年では消費国が独自に格付けの基準を設けるようになってきた。その先駆者が82年設立のアメリカのSCAA(米国スペシャルティコーヒー協会)である。スペシャルティコーヒーという言葉が登場したのは78年、その後ブラジルなどにスペシャルティコーヒー協会が発足したがスペシャルティコーヒーという概念に国際的な定義があったわけではない。SCAAが栽培、焙煎、抽出に関する国際的な基準を確立したことでスペシャルティコーヒーが徐々に世界に浸透していったのです。スペシャルティコーヒーとその他のコーヒーをわかりやすく区分したのがコーヒーピラミッド(イラスト)である。すべてのコーヒーは、客観的に品質や香味などが評価されます。生豆の大きさや色なども判断基準になりますが、初めから品質が高いスペシャルティコーヒーは欠点を見つけることよりもカッピングにより豆の個性を見極めることに比重をかけます。コーヒーの良さには色々な要素があります。カッピングでは、フレグランス、アロマ、ボディ、酸味、アフターティストなどを判定します。その際ロースト豆、カップ、スプーン、スプーンを洗うグラス、コーヒーを吐き出すためのボウル、記録用紙を用意する。10gずつ計量した粉をグラスに入れ香りを嗅ぐ。次にお湯を150cc注ぎ液体の香りを嗅ぐ。スプーンでコーヒーをすくい音を立てて強く吸い込み味と香りを見る。口に含んだコーヒーはボウルに捨て、1カップごとに記録用紙に寸評を書き込む。慣れるまでかなり大変ですがしかしカッピングができるようになると客観的にコーヒーを見分けることができるようになります。スコアが高い方が美味しいコーヒーである可能性が高く、産地の個性が強いコーヒーは高いスコアが付く。誰が飲んでも個性が強烈なコーヒーがピラミッドの頂点にあるスペシャルティコーヒーなのです。

評価項目 表現方法
フレグランス 花のような・華やかな・強い香り
アロマ 綺麗な・心地よい・果実のような
酸味 華やかな・明るい・オレンジのような・ピーチのような
ボディ クリームのような・豊かな・軽い・きめ細やかな
アフターティスト 長く続く・まろやか・フレッシュな・甘い・すぐ消える

焙煎

加熱によって豊かな香味を豆から引き出すことが目的
コーヒーの豆を煎ることを「焙煎」または「ロースト」と呼びます。コーヒー豆は、生豆の状態では味も香りもありません。焙煎することで初めて豆からコーヒーの味と香りを引き出すことができます。焙煎の目的は、そのコーヒーが持っている特性を100%引き出すことにあります。そのためコーヒー豆を外側から芯までしっかりと均一に煎り上げしかも焙煎しすぎないようにすることが肝心です。スペシャルティコーヒーといえども焙煎をきちっとやらなければせっかくの持ち味を引き出すことができません。プロは、豆の特性や使用する焙煎機(ロースター)の特徴を熟知し焙煎の進行状況を目で確認しながら微妙に時間や火力を調整して焙煎を行っています。焙煎は、大きく分けると浅煎り・中煎り・深煎りの3段階があります。これまで焙煎による色の違いのみ語られてきましたが焙煎の度合いでコーヒーの味が大きく左右されることも忘れてはなりません。焙煎を始めると豆から来る水分が蒸発し色づきながら豆が膨らみ、やがてハゼ音が聞こえてくる。このハゼ音が終わる頃がミディアムローストである。さらに焙煎を続けると2度目のハゼ音がしてくる。この2度目のハゼ音がした時がシティローストの入り口である。ここから深煎りの領域に入り焙煎の進行が早くなる。熱により豆の成分が化学変化を起こしコーヒーの味に影響を与えてきます。浅煎りの豆にはクエン酸やリンゴ酸などコーヒーの酸味を構成する有機酸がたくさん含まれています。そのため浅煎りの豆は酸味が強いのが特徴です。深煎りになると豆に含まれる糖質のカラメル化が進み苦みの原因になります。酸味と苦みに加え加熱によって生まれる甘味など複雑な味の要素をバランスよく整えより豊かな香りを加えるのが焙煎の目的です。

◎焙煎(ロースト)をより細かく分類すると

ライト 最も浅い煎り方。抽出してもコクや香り苦みがほとんど無い
  シナモン 浅煎り。酸味が強く残っている。コーヒーらしい味が少ない
  ミディアム 中煎りの領域に入った段階。酸味に加え口当たりは柔らか
  ハイ やや深い中煎り。酸味が抑えられ苦みと甘味のバランスがある
  シティ 深煎りの始まり。酸味も残るがよりコクや苦みが出る。
  フルシティ やや深煎り。酸味はほとんど無くコクと苦みが出てくる。
  フレンチ 色が黒っぽくなる。苦みが強くアイスコーヒーやカフェオレに向く
イタリアン 最も深い煎り方。苦み強く刺激的で舌に残るようになる。
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